TEM用イオンミリング装置 TEM Mill Model1051
E.A. Fischione Instruments社製
TEM用イオンミリング装置 TEMミル モデル1051
仕様
イオン源:- 2つのTrueFocusイオン源
- ビーム径:350μm(100eV時1mm)
- ビームエネルギー:100eV~10keV
- ビーム電流密度:~10mA/cm2
- ミリング角度:-15°~10°
- 360°の試料回転
- 試料揺動
- ロードロックによる素早い試料の出し入れ
- 作業性、放熱性を考慮したデザイン(ローディングステーション付き)
- クランプ機構により、影を作らずに0°までの両面ミリングが可能
- X-Y 方向の位置調整が可能な試料ホルダー及びローディングステーション(オプション)
- 真空/不活性ガス 封入移動カプセル(オプション)
- 内部デュワーによる液体窒素誘導冷却
- 自動温度インターロック
- デュワーサイズ
- 標準タイプ:3~5時間の冷却
- 長時間タイプ:18時間以上の冷却
- 10インチタッチスクリーン
- シグナルタワー(オプション)
- 重量:73kg
- 寸法:幅660mm×高さ330mm(キャビネット上端まで)×奥行き520mm
- 電圧:100V, 50/60Hz
- 消費電力:720W
特徴
先進的な試料作製:今日の多くの先進的な材料にとって、透過電子顕微鏡(TEM) による分析は、物質の構造と特性を研究するための最良の技術です。
Fischione社のイオンミリング装置TEMミルは、TEMによるイメージングと分析に必要な、極めて薄い電子透過試料を作製するための卓越した装置です。
2つのイオン源:2つのTrueFocusイオン源が、あらゆるエネルギーに渡って、絞られたイオンビームを出力します。2つのイオンビームは、試料の片面のみに照射することも、一方を上面に他方を裏面に照射することも可能です。コンパクトなイオン源は、極めて少量のガスしか必要としないにも関わらず、イオンビームのエネルギーを広範囲にわたって制御出来ます。エネルギーを高く設定すると、低角度でも高速でミリングが行われます。エネルギーを低く設定すると、物質は徐々に試料からスパッタ除去され、アーチファクトは発生しません。
独自開発のTrueFocusイオン源の採用により、加速電圧が低いときでも、広がりの少ないイオンビーム(直径約1mm)が保たれます。イオンビームが試料ホルダーやチャンバーに照射されることを防ぎ、スパッタ除去された材料が試料表面に再付着する心配はありません。
コンタミを生じない試料ホルダー:特殊デザインの試料ホルダーを採用することで、試料に影を作らずに0度までの両面ミリングが可能です。試料は両サイドからクランプする方式ですので、接着剤で汚れる心配がありません。専用のローディングステーションにより、ホルダーへの試料の奪着も簡単です。
精密な角度調整:試料ステージは所定の位置に固定され、イオン源が傾斜します。傾斜角度は-15°から+10°の範囲で連続的に調節可能です。2つのイオンビームのミリング角度を個別に調節できるので、ビームを同一面にも別々の面にも照射することができます。両方のイオン源を試料の同一面に向けると、ミリング速度が2倍になるので、裏面薄片化または平面研磨などに便利です。試料の両面を同時にミリングすると、スパッタ除去された物質の再付着を防止できます。
低い入射角度(10°未満)で低エネルギーのイオンミリングを行うと、照射によるダメージと試料の加熱を最小限に抑えることができます。低角度でのイオンミリングを行うと、ミリング速度の異なる材料を含む試料でも、容易に一様な薄片化が行えるので、積層材料・合成材料や断面のTEM(XTEM)試料の作製にたいへん便利です。
プログラミング可能な試料の回転動作:TEMミルはさまざまな異質の材料または積層材料からXTEM試料を作製するのに理想的です。イオンビームの照射と試料の回転を連動させることで、XTEM試料中に接着部が含まれている場合や、原子数(Z)の低い材料が積層合成試料に含まれている場合に起こり得る優先的ミリングを最小限に抑えます。ステージを回転させながら試料の底部をミリングするときには、イオンビームが試料ホルダーの柱にあたらないようにビームを自動的にON/OFF制御し、試料ホルダーのスパッタリングを回避出来ます。さらに、イオンビームと連動して試料を揺動させることができるので、界面または接着ラインに平行にイオンビームを照射することが防げます。一般に±40°~±60°の揺動角が使用されます。